手足口病の症状
手足口病とは、主に乳幼児が発症する伝染性の病気です。症状としては、発熱、食欲低下、倦怠感などがみられることがあります。
発熱はすべての患者にみられるものではなく、患者の30%くらいにみられます。発熱がある場合、38℃以上の熱が出ることもあります。
とはいえ、手足口病の典型的な特徴といえば、やはり手や足、口の中に発疹ができることです。
手足の発疹は、赤い小さな水疱(水ぶくれ)が手の甲や手のひら、指の間、また足の裏や足の指の間などにたくさんできます。手足だけでなく、ヒザやヒジ、お尻にも同様の湿疹ができることがあります。
口の中(歯茎や舌、喉など)にも口内炎のような水疱がたくさんできるのですが、口の中の発疹は痛みを伴うために食欲低下などの症状がみられます。
口の中以外の部位に生じた発疹は、大抵の場合は痛みやかゆみを伴いませんが、症状には個人差があり、痛みやかゆみを伴う場合もあります。
手足口病の原因
手足口病の原因となるウイルスには、「コクサッキーウイルスA16」や、「エンテロウイルス71」、またコクサッキーウイルスの「A6」「A10」などがあります。
感染経路としては、咳やくしゃみによる飛沫感染(ひまつかんせん)や、患者との接触による接触感染、また、患者の便に入っている感染ウイルスが口に入って感染する経口感染などがあります。
手足口病の症状は、発症から10日間程度で治りますが、ただ、症状が治まった後も4週間程度は、便からウイルスが排出されることもありますから、乳幼児の排せつ物の取り扱いには注意するとともに、排便後はしっかりと手洗いをさせるようにしましょう。
ウイルスに感染後、症状が現れるまでの潜伏期間は3日~5日程度です。
手足口病の治療法
手足口病には特別な治療法はなく、7日~10日間くらい経つと自然に治る病気なので、特に症状がひどくない場合は病院にかかる必要はありません。
自宅でのケアとしては、発熱がある場合は安静にさせて水分補給をしっかり行なうようにしましょう。
ただ、口の中が痛いために食欲が低下しますし、特に温かい食べ物や辛い食べ物はしみるので避けて、冷たいアイスクリームやゼリーなどを食べさせてあげてください。
病院では、治療薬はありませんが、手足口病の不快な症状を緩和するための薬を処方されます。
口の中の痛みには鎮痛解熱剤を処方し、皮膚の痒みには抗ヒスタミン剤が含まれた外用薬やステロイド外用薬などが処方されますので、症状が重い場合や心配な場合は医師の診察を受けるといいでしょう。