アスペルガー障害の症状
アスペルガー障害の子供には、様々な症状(特徴)がみられます。
具体的には、想像力が乏しいというところや話し方が妙に大人びているというところ、コミュニケーションを取るのが苦手であるというところ、会話がかみ合わないというところ、相手の気持ちを理解することができないというところ、といった点が挙げられます。
またこの他にも、相手の目を見て話すことができなかったり、手足を使うことが苦手、あるいは不器用であったり、言葉に抑揚がなく単調な話し方をしたり、形のないものに対して理解をすることができなかったり(イマジネーション能力がない)、といった症状がみられることもあります。
ただアスペルガー障害の子供には、規則を守ることが得意であったり、物事をかなり高いレベルで理解することができたり、字や絵を描くことに対して高い才能を発揮したりといった特徴もあるため、アスペルガー障害であるから不出来な子供、というわけでは決してありません。
アスペルガー障害の原因
アスペルガー障害は、後天性のものではなく、先天性のもの、言い換えるならば、生まれながらに持っている特性です。
世間では「親のしつけがなっていないからアスペルガー障害になった」などといわれることもありますが、それは大きな間違いです。
残念ながら現在、アスペルガー障害の直接的な原因は解明されていません。
ただ様々な研究の結果、脳全体をコントロールしている前頭葉や言語・記憶・聴覚を司っている側頭葉、恐怖心・不安といった感情を支配している扁桃帯、意欲・情動に関連している大脳辺縁系などに障害が発生していることが原因なのではないか、と指摘されています。
アスペルガー障害の治療法
アスペルガー障害の症状は、現在の医学では完全に治療することはできません。
ただし完全に治療することはできなくても、子供に色々な経験を積ませてしっかりとトレーニングをすることで、学校に行き始めたり就職をしたりしたときに、そのコミュニティーでうまく生きていけるようにすることは可能です。ちなみにこのことを「療育」といいます。
アスペルガー障害というのは、知的能力が低いというわけではありません。そのためきちんとトレーニングさえすれば、しっかりとした考えを指し示すことが可能です。
アスペルガー障害に対する療育には家族の協力も必要ですので、家族と子供が一体となり、協力し合って療育をしていくことが大切です。